安心安全で、長く働きたいと思う会社であり続けるために
「前職に不満があった訳ではないんです。ただ自分にとって“面白い方”を選びました」
佐藤暁達は、このように自らの人生を飄々と語る。最初に飛び込んだ仕事は、日本全国に物流網を張り巡らす大手運送会社のトラックドライバーだった。最終的には管理職も務めたこの企業には14年在籍。そこから転じた大手通販会社の物流子会社でも、営業所長からスタートして本部での管理業務を務めるように。一貫して物流の仕事に関わり、通算のキャリアは20年超。順風満帆にみえる佐藤だったが、2018年5月に敢えてチャレンジングな道を選ぶ。それこそが、“面白い方”。2012年設立でまだまだスタートアップの物流企業、ハコブ株式会社への転職である。
「入社後は、事業を拡大するための内部統制やいくつかの事業立ち上げを進めてきました。社長の藤田と二人三脚でやっていくうちに色んな役割が増えていったんですよね」
現在の佐藤は、ハコブホールディングスの子会社として立ち上げた、株式会社ハコブヨ.netの代表でありながらも、引き続きハコブに籍を置いて管理部門の責任者を務めている。そしてもう一つ、佐藤自身も強く役割を全うしたいと思っているのが、“CHO”という肩書。Chief Happiness Officer、一般的には「社員の幸福度の向上に責任を持つ役職」だ。
「自分たちが犠牲になってまで“顧客第一”であることが本当に正しいのか。今、世の中のあちこちで聞こえてくるこの問いを、最も真剣に考えなければいけないのが私たち物流業界だと思っています。顧客満足はもちろん大切ですが、それは社員満足があってはじめて持続的に実現可能なこと。社員の幸福度が上がれば仕事に対する向き合い方が変わり、生産性が上がり、お客様へ提供できる価値も大きくなるはずです。この考え方は、ハコブグループ全体に流れている考え方の根幹を成す部分。なおかつ、私たちには業務委託という形で一緒に仕事をしているドライバーさんや協力会社のみなさんもいます。幸せにする対象は社員のみならず、ご家族含め我々が携わる全ての方々を指しています」
働く人の幸せを追求するという想いは、佐藤が代表を務めるハコブヨ.netのサービスにも反映されている。たとえば、ドライバーの仕事といっても配送エリアや業務内容は千差万別のため、なるべく自分の得意な仕事で稼げる状態をつくれば働きやすさにつながる。しかし対象のドライバーは個人事業主のため、限られた人脈・情報の中だけでは最適な仕事に出会いにくい。そこで、ハコブヨ.netでは多くのドライバーと配送ニーズの両方をマッチングすることで、ドライバーそれぞれが得意な仕事で活躍できる状態に。一方で、独自の共済・リファーラルシステム・フィンテック等、画期的な仕組みを搭載するプラットフォームとなっており、よりドライバーの満足度向上に貢献しているという仕組みだ。
「ここ数年で物流が社会問題化していますが、単にサービスを変えるような表面上の改善では全く解決にならない。この業界に長年いる私にとって、問題はより深くに根ざしているものだと感じています。でも、だからと言ってどうせ無理だとお茶を濁していては未来がなくなる。今やらないといけない問題だからこそ、業界の常識を覆すような働き方・サービスで向き合っていきたいと思っています」
佐藤にとっての“面白い方”とは、まさしくこのような“前例のないチャレンジ”を続けるハコブの風土。大手企業にはないようなスピーディーな意思決定で、次々と新たな挑戦を続けられること。働く人の夢や幸福を実現するためにどこまでも本気であること。そうしたハコブらしさを原動力に、佐藤の挑戦はこれからも続く。