楽器はどうやって送る?配送方法や梱包のポイントを徹底解説
- mokamoto7
- 3 日前
- 読了時間: 12分
更新日:1 日前
楽器を送るときは、通常の荷物以上に注意が必要となります。輸送中の衝撃はもちろん、温度や湿度の変化によってもダメージを受ける可能性があります。そのため、楽器の特性を理解したうえで、適切な梱包と配送方法を選ぶことが大切です。
また、楽器は種類・サイズ・個数などによって、最適な配送方法が異なります。条件に合わない方法を選んでしまうと、破損やトラブルにつながることもあります。
そこで本記事では、「楽器の配送方法の選び方」や「各配送方法の特徴」、「梱包の基本と楽器別の注意点」についてご紹介します!

事前に確認しておきたい情報
まずは、自分が送りたい楽器の情報を整理しておきましょう。事前に確認しておくことで、配送方法の選択や見積もりがスムーズになります。
1. 個数・輸送目的は何か
1点のみを輸送するのか、合宿・演奏会・イベントなどのために複数の楽器をまとめて輸送するのかによって、適した配送方法が異なります。輸送の目的を明確にしておきましょう。
2. どの楽器を送るのか
楽器の種類によって、利用できる配送方法や輸送時の注意点が異なります。
また、弦楽器、管楽器、打楽器、電子楽器など、それぞれの特性に応じた対策が必要になる場合があります。
3. 楽器のサイズはどれくらいか
楽器の規格やサイズによって、利用できる配送サービスや送料が変わる場合があります。送料は主に梱包後のサイズや重量を基準に決まるため、余裕をもって見積もっておくと安心です。
楽器を送れるサービスには
どんなものがある?
楽器の配送方法には、主に以下のような選択肢があります。
一般的な宅配便
楽器専門配送業者
トラック貸切のチャーター便
それぞれの特徴を、順番にご紹介します。
■ 宅配便で送れる楽器と送れない楽器
3辺合計が170cm以内で、かつ適切に梱包できる楽器であれば、一般的な宅配便での輸送が可能です。
宅配便で送れる楽器の例
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一方で、サイズや重量が宅配便の基準を超えるものや、破損リスクが高い楽器は、宅配便での取り扱いができない、または不向きな場合があります。
宅配便で送れない/送りにくい楽器の例
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上記のような楽器を送る場合は、大型荷物専用の配送サービスや、楽器専門配送業者の利用がおすすめです。
また、複数の楽器をまとめて輸送したい場合は、車両貸切のチャーター便を選ぶと安全かつ効率的です。

宅配便で楽器を送る
ギターやトランペットなどの小〜中型楽器は、一般的な宅配便で発送できます。
ただし、サイズ制限や梱包条件、補償金額は配送会社ごとに異なるため、事前確認が必要です。
■ 主要3社の宅配便サービス比較
会社・サービス名 | 利用可能サイズ・重量 | 梱包条件・注意点 | 送料(160サイズ・東京都⇒東京都) |
ヤマト運輸 (宅急便) | 3辺合計200cm以内/重量30kgまで ※1辺170cm以内 ※上下逆さ不可など条件付き荷物は1辺100cm以内 | ・補償上限30万円/個 ・ハードケースのまま輸送可 | 3,020円~ |
佐川急便 (飛脚宅配便/ラージサイズ) | ・飛脚宅配便:3辺160cm以内/重量30kgまで ・ラージサイズ:3辺260cm以内/重量50kgまで | ・ケースのみは不可、二重梱包必須 ・任意で運送保険加入可(1万円につき10円、最低50円) | 2,440円~ |
ゆうパック (日本郵便) | 3辺合計170cm以内/重量25kgまで | ・+420円でセキュリティサービス追加可(補償額を30万円→最大50万円に引き上げ可能) ・他社より送れる荷物サイズが小さめ | 3,000円~ |
※送料は地域・時期により異なります。
※2025年12月時点の情報です。
■ 各社のポイント・注意点
ヤマト運輸
ハードケースのまま発送可能。ただしケース自体は梱包資材扱いのため、傷防止の追加梱包推奨
ケース内で楽器が動かないよう、クッション材での固定が必須
補償上限は30万円のため、高額楽器は注意
佐川急便
ハードケースのみの発送不可。二重梱包必須
3辺260cmまで対応可能な「ラージサイズ宅配便」がある
任意で運送保険に加入可能
ゆうパック
最大サイズは他2社に比べて小さめ(3辺170cm・25kgまで)
+420円で補償額を最大50万円まで引き上げ可能
宅配便は比較的低コストで利用しやすい反面、サイズや重量に制限があるため、対応できる楽器は限られます。また、配送会社ごとに梱包ルールが設けられており、事前準備に手間がかかる点にも注意が必要です。
加えて、補償額には上限が設定されているため、特に高価な楽器を送る場合は慎重な判断が求められます。楽器を安全に届けるには、適切な梱包を徹底するとともに、状況に応じて保険や補償サービスを活用することが大切です。
専門の配送業者を利用して楽器を送る
大型・高額・繊細な楽器を運ぶ場合、楽器専門の配送業者を利用するのが最も安全です。
専門スタッフが楽器の特性を理解した上で対応するため、ピアノやコントラバス、ドラムセットなどの繊細な楽器や大型楽器でも、安心して任せられます。
多くの専門業者では、事前に下見や現地確認を行い、搬入経路や設置場所を確認してから輸送を進めます。作業中は養生や緩衝材で保護し、キズや破損が起きないよう丁寧に扱います。移動内容や楽器の種類、特殊な事情も確認し、安全に配送できる計画を立ててくれるのもメリットです。
料金は宅配便より高めですが、破損リスクを最小限に抑え、安心して楽器を運びたい場合に最適な選択肢です。
下見や現地確認に時間がかかることもあるため、余裕を持って依頼することが大切です。

貸切チャーター便を利用して楽器を送る
チャーター便は、トラックを丸ごと貸し切って荷物を運ぶ配送方法です。依頼品だけを積むため、他の荷物による圧迫や積み替えが発生せず、高い安全性を確保できます。
発地から着地まで直行で輸送できるため、時間のロスも少なく、複数の楽器や機材をまとめて運ぶことも可能です。そのため、合宿や演奏旅行、演奏会やコンサートの一式搬入、吹奏楽部やバンドの大量輸送、イベント会場へのまとめ運びなどに向いています。
急ぎの輸送にも対応できるので、量・時間・安全性のすべてを重視したい場合におすすめの方法です。
ただし、車両の荷台の大きさに対して荷物の量が少ないと、割高になることもあるため注意が必要です。

■ こんな時はどの配送方法を選べばいい?
状況・目的 | おすすめの配送方法 | ポイント |
小型〜中型楽器を個人間で送りたい | 宅配便 | ギター・バイオリン・小型管楽器などに適しており、低コストで手軽に利用可能。混載便となるため、ハードケース+二重梱包で必ず安全性を高める。地域や時期によっては、到着まで日数がかかる場合がある。 |
高額・繊細な楽器を安全に送りたい | 楽器専門配送業者 | ピアノ・コントラバス・ドラムセットなどの輸送に対応。専門スタッフが事前の下見・調査を行い、搬出入・養生・輸送まで一貫して対応するため、破損リスクを最小限に抑えられる。 |
複数の楽器・機材をまとめて送りたい | チャーター便(貸切トラック) | 積み替えがなく安全性が高い。合宿・演奏会・イベントなどの一括搬入に最適。 |
急ぎの輸送が必要 | チャーター便/専門配送業者のスピード対応 | 費用はかかるものの、直行輸送のため時間ロスがなく、確実に早く届けられる。 |
楽器配送で失敗しないためのポイント
楽器は非常に繊細で、わずかな振動や衝撃でも故障につながる可能性があります。発送前には、以下の点をしっかり確認して梱包を行うと安心です。
1. 衝撃対策をする
楽器をケースに入れている場合でも、衝撃によって楽器が損傷する恐れがあります。そのため、ケース内で楽器が動かないよう、すき間には緩衝材を詰めましょう。
2. 温度・湿度対策を行う
ギターやバイオリンなどの木製楽器は、乾燥や湿気の影響で変形しやすく、音色にも影響が出ることがあります。特に季節の変わり目や気温差の大きい地域に送る場合は、乾湿調整剤や湿度調整シートをケース内に入れておくと安心です。
3. 宅配便で輸送する場合は梱包をしっかり行う
宅配便で楽器を送る場合、梱包は特に丁寧に行う必要があります。ソフトケースでは配送を受け付けてもらえない場合があるため、ハードケースに入れての発送がおすすめです。さらに、エアキャップ(プチプチ)やダンボールで二重に保護すると、衝撃からより確実に楽器を守ることができます。
最後に、念のため「取扱注意」の注意書きステッカーを貼っておくと、配送業者も慎重に取り扱ってくれます。
楽器別・輸送時の注意点と梱包方法
梱包を始める前に、以下の資材を準備しておきましょう。
■梱包に必要な資材
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①ギターを送る時の注意点・梱包方法
■ サイズの目安
アコースティックギター → 約180〜200サイズ
エレキギター → 約160〜180サイズ
クラシックギター → 約180〜200サイズ
※あくまで目安です。梱包後に必ず実際のサイズを計測してください
■ 輸送時の注意点
・部品は個別に梱包する
スイッチやノブ、尖った部分など、ギターの突起やパーツはデリケートです。エアキャップ(プチプチ)を使って個別に保護しましょう。
・乾湿調整剤や湿度調整シートをケースに入れると安心
ギターやベースは木材でできているため、乾燥や湿気の影響で変形しやすく、音色にも影響が出ることがあります。特にアコースティックギターは温度や湿度の変化に敏感です。季節の変わり目や気温差の大きい地域に送る場合は、ケース内に乾湿調整剤や湿度調整シートを入れておくと安心です。
・弦は少し緩めておく
輸送中の振動や衝撃で弦が強く引っ張られるのを防ぎ、ネックへの負担を軽減します。これにより、楽器の変形や破損を防ぐことができます。
■ 梱包方法
柔らかい布やエアキャップ(プチプチ)で本体やヘッドの角などを保護
ギターをハードケースに入れる
ケース内で楽器が動かないよう、ガーゼなどの緩衝材を隙間に詰める
エアキャップ(プチプチ)でケースごと全体を3~4重巻きにし、保護する
適切なサイズの段ボールに入れる
※巻き段ボールを使用する場合は、二重にして強度を上げる
段ボール内で楽器が動かないように、隙間にさらに緩衝材を詰める

② バイオリンを送る時の注意点・梱包方法
■ サイズの目安
約130〜140サイズ
※あくまで目安です。梱包後に必ず実際のサイズを計測してください
■ 輸送時の注意点
・糸巻きは少し固めに締める
配送中に弦が緩まないようにします。
・乾湿調整剤や湿度調整シートをケースに入れると安心
温度や湿度の変化による楽器へのダメージを軽減できます。
・弓や付属品も別途保護する
弓や付属品もビニール袋や布で包んでおくと安心です。
■ 梱包方法
糸巻きを少し固めに締め、弓を保護する
バイオリンをハードケースに入れ、隙間にガーゼなど緩衝材を詰める
ケース全体をエアキャップ(プチプチ)で3~4重に巻く
適切なサイズの段ボールに入れる
※巻き段ボールを使用する場合は、二重にして強度を上げる
段ボール内で楽器が動かないように、隙間にさらに緩衝材を詰める

③ 電子キーボードを送るときの注意点・梱包方法
■ サイズの目安
小型:約100~120サイズ
大型:約160サイズ程度
※あくまで目安です。梱包後に必ず実際のサイズを計測してください
■ 輸送時の注意点
・水濡れ対策を行う
キーボードは精密機器であり、内部の電子部品が水に弱いです。梱包時は本体をビニール袋で包み、封をして水滴や湿気の侵入を防ぎます。
・付属品は個別に保護する
ACアダプター、ペダル、接続ケーブルなどは別々にエアキャップ(プチプチ)で包みます。本体に固定しておくことで、輸送中の紛失や衝撃による破損を防ぎます。
■ 梱包方法
エアキャップ(プチプチ)を鍵盤の大きさにカットして鍵盤部分に乗せ、マスキングテープや養生テープで固定する
本体を水濡れ防止のためビニール袋に入れて封をする
本体全体をエアキャップで3〜4重に巻く※両端は特に厚めに巻く
付属品も個別にエアキャップで包み、マスキングテープや養生テープで本体に固定する
適切なサイズの段ボールに入れる
※巻き段ボールを使用する場合は、二重にして強度を高める
隙間に緩衝材を詰め、四隅も補強して楽器が動かないように固定する

送る楽器のサイズや種類、数量によって最適な手段は変わります。
目的に合ったサービスを選び、安全に、確実に届けることを心がけましょう!
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